日本佛光山法水寺「(第一回)国際青年仏教学者フォーラム――人間仏教と東アジア仏教の歴史と未来」に参加して
東洋大学大学院文学研究科インド哲学仏教学専攻博士後期課程の森原康暉です。
2025年8月25日から30日までの日程で、群馬県渋川市にある台湾仏教のお寺、日本佛光山法水寺において行われた「(第一回)国際青年仏教学者フォーラム――人間仏教と東アジア仏教の歴史と未来」に参加してきました。このフォーラムは、東アジアの仏教研究の振興と若手研究者の交流を目的としたもので、中国・台湾・韓国・日本の若手研究者20名が招待されて研究発表を行いました。尚、日本人の参加者は私を含めて3名でした。以下に、学会の模様と感想を記したいと思います。
まず、フォーラムが行われた法水寺は、星雲大師(1927-2023)によって創設され、台湾の高雄に本部を置いて、世界中に展開している佛光山の日本における本山です。山の上にある、とても広大なお寺で、建物は日本ではあまり見られない様式で異国情緒溢れていました。また、眼下に広がる景色も絶景でした。今回のフォーラムは、台湾以外の場所では初となる「人間仏教研究センター」が、法水寺に開設されることを記念して行われたものでした。
25日には木村清孝先生(東京大学名誉教授)による講演、26日には伊吹敦先生(東洋大学名誉教授)、柳幹康先生(東京大学東洋文化研究所准教授)、野呂靖先生(龍谷大学心理学部教授)による講演、そして、佛光山が取り組んでいるAI開発についての紹介と懇談会が行われました。27・28日には若手研究者の研究発表会が行われ、終了後には山梨の本栖寺と東京の佛光山寺を訪れる親睦旅行がありました。
期間中、参加者は法水寺に宿泊したのですが、毎回の食事(台湾式の精進料理)がとても美味しかったことが印象に残っています。研究発表では、各自が取り組んでいるテーマについて発表したのですが、どの発表も興味深く、各参加者の学問に取り組む真摯な姿勢からは、自分も頑張りたいという思いを強くしました。盛んに質疑応答が行われたこともよい経験になったと思います。さらに、張文良先生(中国人民大学哲学院教授・佛教与宗教学理論研究所副所長)と陳継東先生(青山学院大学国際政治学部教授)から講評していただく機会を得られたことも思い出深いです。また、発表の合間には台湾のお菓子やお茶を囲みながら意見交換をしたり、夜や観光の際には東アジアの国々の文化や諸々の考えについて同年代の研究者と語り合う機会にも恵まれたりと、とても有意義な時間を過ごすことができました。
このフォーラムは第二回以降も行うかもしれないとのことでしたので、機会があれば是非再び参加したいと思います。最後に、この場をお借りして、親切に案内をしてくださったり円滑な運営のために準備をしてくださったりした台湾の法師様方とスタッフの方々に篤く御礼を申し上げます。
(2025年9月15日)
(感謝! アイキャッチ画像: llqfhjによるPixabayからの画像)