増上寺三大蔵見学会

事務局長の佐藤です。

先日、仏教青年会の会員4名と増上寺に行き、宝物展示室で展示されている三大蔵を見学しました。
三大蔵とは中国・朝鮮で印刷された大蔵経の中、宋版(12世紀)、元版(13世紀)、高麗版(13世紀)の3つの大蔵経で、徳川家康が増上寺に寄進したものです。
今年、ユネスコ世界記憶遺産に登録されたのを記念して宝物展示室での展示が行われました。宝物展示室は大殿地下一階にあり、常設展示として英国ロイヤル・コレクションから貸与された徳川二代将軍秀忠公御廟の建築模型である「台徳院殿霊廟模型」が展示してあります。
壁面に沿って徳川家康や増上寺関連の史料が展示してありました。
その中で三大蔵は、『阿弥陀経』、『大智度論』、『大唐西域記』、『開元釈教録』が展示されていました。
それぞれ冒頭部分を並べて展示しているのですが、その部分だけでも文字の異同を見つけることができ、それぞれが依拠したテキストの違いや制作背景について思いを巡らせました。このほか狩野一信『五百羅漢図』も展示してありました。

以下は参加した学生の感想です。

・同じ文献について、宋版、元版、高麗版を並べているのが面白かった。もっと多くの文献を見たかった。
・普段はネットで大蔵経を検索しているが、現物を見ると紙の質感などを感じられてよかった。
・いまはSATやCBETAで大蔵経を見ているが、その根底にはこうした紙の大蔵経があることを実感した。そして大正蔵などの文字の異同の根拠がここにあるのだと思うと感慨深い。
・同じ文献でも、3つの大蔵経では文字が異なる部分があるのを確認できたのがよかった。

<参考>
浄土宗大本山増上寺所蔵三大蔵

(佐藤 厚)

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